チェロの購入にあたって

(初めてお買い求めになる方へ)

 

楽器ほど、たくさんの種類(値段)の中からどういうふうに選んだらいいのか、また何を根拠に選んだらいいのか分かりにくいものはありません。せっかくチェロを楽しく習おうと思っても、楽器を買う段階で失敗し、大変いやな思いをしてしまうこともあります。一生涯の楽しみとして、将来の夢として、お子様の教育として・・・・楽器はとても大切なものでもありますし、安い買い物でもありません。生徒さんがたのニーズに合った良い楽器を購入するために、少しでもお役に立てればという思いから、いくつかの失敗例やレッスンの経験上困ったこと、購入にあたってのアドバイスなども含め、簡単にご説明させていただきます。

                      楽器の種類

 

楽器は、下取りのある楽器と下取りのない楽器に大きく分かれます.下取りというのは、

(良心的な楽器店だけのお話ですが)楽器のサイズを上げる場合やもっといい楽器を買いたい場合に、それまで使っていた楽器を、(メンテナンスの必要がない場合で)約60〜100%(*消費税分5%は引かれます)でひきとってもらい、その金額に上乗せして購入することができる、ということです。下取りのない楽器は、フルサイズが18万ぐらいで購入できますが、分数楽器からサイズを上げる場合や、もう少し良い楽器に買い直す場合でも、引き取ってもらえません。下取りのある楽器は最初の金額は下取りのない楽器に比べて高価ですが、前の楽器の時に出した金額にプラスして、次の楽器を購入することができますので、結果的に良い音、良い質の楽器を常に使っていくことができ、音へのアプローチが広がります。後のことを考えるとお勧めできる買い方です。(ただし、分数楽器で下取りのあるものはごく稀です。)

 

サイズについて

 

サイズは、1/10、1/8、1/4、1/2、3/4、7/8、4/4の全部で7種類あります。この分数の表現は、大人のFulサイズを4/4としたときの、楽器の体積の比です。(楽器によって多少の誤差はあります。)弦楽器はピアノと違って、体の大きさに合わせた楽器を使うことが出来るため、より正しい構え方や姿勢、音程等を子供のうちから勉強することができます。楽器のサイズは、体の大きさや手の長さなどからその子供のあったサイズを割り出します。お子様のご成長が早い場合は、極稀にサイズを一つ飛ばして購入する(1/10から1/4へ等)こともあります。ですが、無理をしてサイズを飛ばして買ってしまうと、正しい姿勢や指の開き具合(音程の取り方)等が身につかなくなってしまいます。又、逆にお子様が大きくなったのに、小さいままの楽器を長い間使用していても同じ結果をまねきます。ひとつのサイズを使える期間は、1年〜1年半ぐらいですが、お子様の成長による個人差があります。

 

楽器の種類と価格の目安は、下記の通りです。

(以下、税抜きの価格です。)

           (省略)

価格一覧

 下取りのないもの

            (省略)

      下取りのあるもの
       (省略)

ケース

                   ハード・ケース
            (省略)
          ソフト・ケース
            (省略)

 

付属品

●チューナー

            (省略)

●チョーク     

を巻いているペグのすべりを調整する、グリスのようなものです。ペグのすべりが悪かったり、又、滑りすぎる状態ですと、調がしにくくなりますので、持っていたほうが良いでしょう。 (¥1000位)

 

 

●楽器みがき

ポリッシュ

楽器の木の部分にワックスをかけて保護する、液状の楽器みがきです。月に1度くらいはこれでピカピカに磨いてください。(¥2000位)

 

クリーナー

についた汗や錆びをおとす、専用のクリーナー (¥2000位)

アドバイスコーナー

A.オールドなどの高価な楽器は、1台1台手作りなので、形も違いますし、音色もちがい、個性があります。楽器の個性や質などを見分けるには、かなりの熟練した技術が必要です。その人に合ったタイプの楽器を持つことが、楽器と永遠に楽しくつきあっていけるコツです。購入の時は、先生の方へ相談してください。(楽器の正しい選び方については「ヴァイオリンよもやま話」の中で詳しく述べておりますので、そちらをご参照ください。)

余談ですが、他の教室では、先生が楽器を選んできて、「これは○○万だから、買いなさい」というように、予算的なことや教育目的などを相談してから買うことはできないことが殆どです。当教室では、子供(生徒)の立場(教育目的)や予算などを考え、御父兄の方と相談した上で楽器を選びます。オールドの楽器を買いたいという御希望がある場合は、お気軽にご相談ください。

 

B.高価な楽器の場合、良心的な楽器店は「売る」というよりも「次の人へ受け継ぐためのサポートをする」といった考え方をします。プロの職人が丹精こめて長い年月手入れをして受け継がれた楽器が、他の店に渡ってしまったり、行方知らずになってしまうことは楽器店にとっては非常に困ることです。下取りの際は、購入した楽器店でお願いします。

 

C.以前、良い楽器だからと生徒さん同士で売買をしてしまい、売ってもらった生徒さんが買い替えのため楽器店に持って行ったら、査定が半額以下だった。という話がありました。長い間ずっと使っていると定期的にメンテナンスが必要です。ですから、使っていた方が必ず楽器店に持っていって下さい。また兄弟の場合も、上のお子さんが使い終わりましたら、一度楽器店にお持ちください。(長い間弾かないで放置すると、何もしなくても楽器が傷み、下取り価格が下がります。)

 

D.弓は、¥200000以上のものが力が抜けて楽に音を出せるようです。初心者の方でも弓に関してはなるべく良いものを使うことが望ましいです。

 

E.良いものが欲しいけれど、ご予算が足りない、という場合は、とりあえず楽器本体だけ希望のものを購入し、またご予算のご都合がついたときに弓やケースを買い換える、といった買い方が良いでしょう。

 

 

 

教室からのお願い

 

使い終わった楽器で、置き場所、処理に困っている方がいらっしゃいましたら、教室に寄付して頂ければ幸いです。子供たちの為に大切に使わせて頂きますので、どうぞよろしくお願いします。