「初心者ほど教えるのは簡単だ。」という考え方が一般に多く見受けられますが、それは大きな大きな大変大きな間違いです。
芦塚メトードでは、「一番はじめに習ったことで、その人の一生の音楽との係わりが決まってしまう。」と考えます。音楽の内容が易しいものであるからといって、指導も易しいと錯覚している学生があまりにも多いことには驚かされます。初心者だからとか、まだ小さい子供だからと言って、指導法の勉強をしたがらなかったり、馬鹿にしている人もいます。「こんな簡単なこと教えるなんてバカバカしいわ」
しかし、現実はそうではありません。何も分からない、日本語もおぼつかないような年齢の子供に、音楽を体感させ、その素晴らしさ、楽しさを実感させ、そして音楽を好きにさせること、それがどれだけの技術を要するかわかりますか?年齢の低い子供ほど言葉で説明しても分りません。体感させなければ何も覚えてはくれません。では、あなたならどうやって3歳の子に音楽の楽しさ、すばらしさを体感させますか?それにこたえられないのであれば、間違っても「初心者を教えるのはたやすい。」などと思わないことです。