アントン ハイラー
アントン ハイラーは私が留学中はまだウイーンの音楽大学のオルガン科の教授でした。
カナダの音楽大学などに夏には、講習に行ったりの超売れっ子の教授で、先生に師事するには4年待ち、5年待ち位の売れっ子教授でした。
ストイックな学者肌の(というより演奏家よりも学者なのですが)アルコール中毒になって、身を持ち崩したり、とか色々な噂話は多々あります。
私がお会いした頃は(というより私のオルガニストの友人が知り合いだったので)すっかりお元気なようにお見受けしましたが。

上に掲載したヘンデルのチェンバロ組曲集は、中、高生の時に、すっかり、聞きすぎてしまって、レコードが擦り切れてしまうのを恐れて、スペヤーのレコードを日本のあちこちのレコード屋で探したのですが、見つけることができず、ドイツに留学したときに、ウイーンを訪れて、大学の傍のレコードショップで探すのがウイーン訪問の目的の一つに入っていました。ハイラー教授をよく知っているウイーンのレコード屋で、そのたった一枚のレコードを、運よく手に入れることができました。
それは、ちょっとした奇跡だったのですが。
上に掲載されたレコードのジャケットがウィーンで手に入れた、同じHandelの組曲のレコードです。

アントン・ハイラーは、私達はCembaloの名手と考えていますが、本来はオルガニストです。

という訳で、勿論、アントン ハイラーの本来の楽器であるオルガンの演奏のレコードも沢山あります。
特にその演奏の中でも、有名なのはBachのパッサカリアとフーガやかの有名なトッカータ ニ短調でしょう。
このレコードは問題なく、廉価版として、何時でも簡単に手にいれることができます。
レコードの値段は廉価でも、アントン・ハイラーの演奏はとても素晴らしい演奏で、ドイツのヘルムート・ヴァルヒャと双璧をなす演奏です。