勉強や仕事のBGMとして
クリスマス会の打上の時にご父兄の方から子供の勉強の時に流せる良いBGMはないかとの質問を受けました。実は私がまだ音楽大学生であった頃、受験生である従弟から同じ質問を受けたことがあります。その当時はまだ、ミュージックセラピーなどもない時代でしたが、私なりに「国語や英語などの記憶系は何の音楽、数学等の理数系では何の音楽と処方してやった覚えがあり、従弟からとても能率が上がったと感謝されたことがあったのを、思い出しました。
ミュージックセラピーなどでは何の曲を何小節とか書いてあるのをよく目にしますが、私に言わせて頂くなら曲そのものでなくて、演奏によっても曲は驚くほど感じが変わります。
勉強のお供に集中を高める曲のベスト・ワンはバッハの平均律の1,2巻に限るでしょう。しかし、演奏はヘルムート バルヒャのチェンバロの演奏が一番です。


しかし同じバッハの平均率がエドウィン フィッシャーのピアノで聴くと、美しい夢の世界の音楽に早変わりして、白ワインとカマンベールチーズによく合う音楽になります。




昔のレコードです。


CDのジャケットです。
興味のある方はランドフスカやグレングールドの平均率もよいでしょう。
ランドフスカは別のページで詳しく触れたいと思いますが、歴史の中に忘れられたチェンバロを今日復活させたという功績があります。ランドフスカはクレッシェンドやデクレッシェンドが出来なかったり音量が弱かったりがチェンバロが廃れて言った原因だと考えました。そのために有名なフランスのピアノ・メーカーであるエラールとモンスター・チェンバロを作り出しました。ペダルで色々な音色が出せるだけでなく、それこそクレッシェンドやデクレッシェンドも自由自在に出来るお化けチェンバロでした。私達がランドフスカ・チェンバロと呼んでいるチェンバロです。そんなお化けチェンバロではないのですが、音の弱さを補うために強い音を出すための機構を持ったモダン・アクション(機械アクション)のチェンバロが色々なチェンバロ・メーカーから作り出されました。その最大手はノイペルト・チェンバロやヘルムート・バルヒャの愛用のアンマーのチェンバロなどです。



私が音楽大学の学生だった頃には、若手ナンバーワンとしてグレン・グールドのピアノ演奏がとても高い評価を音大の先生達から受けていました。往年の名ピアニスト、エドビン フィッシャーや若手ではイエルク デムスなどは音楽大学の先生方には良い評価は受けていませんでした。しかし、グールドのエキセントリックな演奏スタイルは我々音楽を勉強するものにとって多旋律(複音楽)の演奏の練習には一声をスタッカートで弾き、残りの旋律をレガートにして聴き取りやすくして練習するのは比較的オーソドックスな練習方です。楽や内の方法論を公開の演奏でしてしまったという事に木っぱづかしさを感じてしまいます。
また、グールドは演奏会嫌いで有名で、全ての演奏はスタジオの録音で知られています。そういった意味で初めてのスタジオミュージシャンとも言えるでしょう。色々な意味で変わった演奏家でした。








変わったところではキース ジャレットというジャズピアノ奏者の至って真面目な演奏もあります。全くお勧めはしませんが。




以上平均律のお話しでした。