黒い二つのシミのようなものは、取っ手を外した跡の、補修の跡です。
つまり、元々はここに取っ手が付いていたという意味です。
ひょっとするとハイドンが持っていたヴァイオリン・ケースかな?・・・・・・・・・
ふっふっふっふ!!!?
芦塚先生の所有していらっしゃるケースと全く同じ様に見えますが、持ち手(取っ手)の位置が違いますね。
19世紀の後半というか、20世紀の始め頃まではまだ、ヴァイオリンを横に持つ持ち方よりも、この位置の方が一般的だった様です。
ヴァイオリンもその方が安定しますからね。
実は芦塚先生の木製のヴァイオリン・ケースもよく注意してみると全く同じ所に取っ手の付いていたあとがあります。 
この絵はハイドンのクァルテットの練習風景を描いた有名な絵ですが、この一番前に置かれているヴァイオリン・ケースをズームして見てみましょう。
「今は昔」といっても、そんな昔のことではなく30、40年位前の話ですが、弦楽器屋さん(いわゆる楽器ディーラーさんのことですが、ヨーロッパから楽器を送ってくるのに,木製のヴァイオリン・ケースに入れて送られてきていました。
当時はそういった木製のケースに、価値がなかったので(象嵌の入ったような高価なケースは別として)殆んど楽器屋の裏庭で焼却していました。
私が、「古い木製のviolin・caseが欲しい。」と言ったら、焼却のためにゴミといっしょに積み上げられた中から「適当に持って帰って良い!」と言われて、積み上げられた、焼却される楽器ケースの山の中から、拾って来たケース(勿論ただ)なのです。
18世紀や19世紀の頃になると黒の鯨型が流行になったのか、当時のいろいろな絵画に、右の写真のような黒いヴァイオリンケースがよく描かれています。
芦塚先生愛用のオバQ・ヴァイオリン(シャノー型の変形ヴァイオリン)はそれ自体珍しいものですが、それを収納しているケースも、負けず劣らず珍しいものです。
    芦塚先生愛用の
ヴァイオリン・ケース