1.ロザリオのソナタより 第4番・・・・・・・・・・ビーバー作曲
バロックヴァイオリン・・・斉藤純子
チェンバロ・・・・・・・・・・大場美紀
マリア様の生涯の場面場面を描いた15枚の絵画。
そのひとつひとつに曲を作ったそうな・・・・。 で、上右の絵がこの曲の絵であります。
この15曲からなるロザリオのソナタは、全ての曲を違う音に調弦して弾くようにできています。
普通ヴァイオリンは4本の弦をソ、レ、ラ、ミの音にあわせますが、この曲では、ラ、レ、ラ、レに
あわせます。なので、弾く弦によっては楽譜上でミと書いてあっても、実際はレの音が出てくる
というややこしいことになります。
2.8つのソナタより 第6番・・・・・・・・・・・・・・・・ビーバー作曲
↑クリックすると演奏が聞けます。
バロックヴァイオリン・・・斉藤純子
チェンバロ・・・・・・・・・・大場美紀
ところで、皆さんはビーバーという作曲家をご存知でしょうか?おそらく見たことも聞いたことも
ないという方が殆んどではないでしょうか?そういう私もバロック音楽の研究を始めるまでは
見たことも聞いたこともありませんでした。師匠の芦塚陽二先生の秘蔵の楽譜集の中から見
せていただき、初めて知った作曲家ですが、今ではすっかりお気に入りの作曲家です。現在は
バロック音楽も演奏されることが増えてきたようで、よく探せばCDなども売っています。どなた
でもご存知のバッハより41歳年上で、1644年生まれ、ドイツの作曲家です。この曲では、
なんと曲の途中(楽章の間)で調弦を変えて演奏します。
3.6つのソナタOp.5 第2番 ニ短調 第1・2楽章
・・・ジェミニアーニ作曲
チェロ・・・馬場桃子 チェロ(通奏低音)・・・牧野由起子 チェンバロ・・・大場美紀
「チェロ」といえば、楽器の下からにょっきり突き出た棒(エンドピンといいます)を床に刺して
演奏するのがおなじみの姿ですが、実はこのエンドピンという便利なものができたのはそう昔
のことではありません。それは19世紀のこと、今からおおよそ150年くらい前のことです。楽器
を支える棒がない・・・。‘普通の’チェロを弾きなれている人にとってはとても考えられないこと
です。では一体どのようにしてチェロを弾いていたのでしょう? 専門家によると、足を「がに股」
に開いて足首のところで組み、ふくらはぎとふくらはぎで楽器をはさんで演奏していたそうです。
私も挑戦してみましたが、なんだか足の関節がおかしくなりそう・・・。当時のチェロは今よりも
小ぶりだったそうですが、とはいえ、大きなチェロを弾くには長〜い足が必要だったのかもしれ
ません。 この曲はそうしたスタイルで演奏されていた時代のものですが、今日はモダン楽器
のクリアな音色でお聞きください。
4.トリオソナタ Op.1 bU ホ短調・・・・・・・・・・・ルイエ作曲
バロックヴァイオリン1・・・中川美和 バロックヴァイオリン2・・・斉藤純子
バロックチェロ・・・・・・・・牧野由起子 チェンバロ・・・・・・・・・・・大場美紀
今日はバロック時代の楽器を使っての演奏ですが、楽器本体だけでなく弓も現代の弓とはまったく形が
異なります。完全に力を抜いた持ち方で弾かなければ折れてしまう、とてもデリケートな弓です。バロック
奏法では、純正の和音の響きを損なわないよう、殆どヴィヴラートをせずに楽器を共鳴させて演奏します。
5.トリオソナタ 「ラ・フォリア」・・・・・・・・・・・ヴィヴァルディ作曲
↑クリックすると演奏が聞けます。
「ラ・フォリア」は、今日から700年も前から伝わる独特のメロディーです。元はとても速い舞曲でしたが、
王宮などで演奏されるようになってから、徐々にゆっくりと演奏されるようになりました。現代に至るまで
にあらゆる作曲家がこの「ラ・フォリア」を題材に曲を作っています。今日は「四季」などでよく知られるヴィ
ヴァルディによる「トリオソナタ」の「ラ・フォリア」です。「トリオソナタ」は、バロック時代に最もポピュラー
だった編成です。