オーケストラの並びについて

         (よもやまばなしシリーズより)


1.
私どものオーケストラは、基本的に弦楽オーケストラと呼ばれるものです。時々管楽器やその他の楽器を入れることもありますが、いわゆる大編成のフルオーケストラではありません。
 しかしながら弦楽器の技術を学ぶためには、フルオーケストラよりも弦楽オーケストラの方がより多彩で高度な技術を身に付けることができるのは当然のことと言えます。フルオーケストラの楽器の配置についても、弦楽の並びに準じて配置されます。ですから色々なオーケストラの並びと総称されるものは、基本的に弦楽オーケストラの並びによって決定されます。
 一番オーソドックスな並び方は、客席から向かって左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、という順になる並びです。
これに対して俗にミュンヘン型と言われているオーケストラの並びがあります。中音域を支えるヴィオラを右端にもってきて、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラと並べます。この並びはオーケストラの響きがバランスよくとけあってとても良い響きがします。
 私たちの教室でも、モーツァルトやハイドン以降の古典派の作曲家たち(シュターミッツやディッタースドルフを含む)の曲を演奏するときには、この並び方をします。
通常我々がオーケストラの演奏を聴くときには、以上の2つの並び方です。

 それに対して私たちの発表会でヴィヴァルディやパッヘルベルなどの作品を演奏するときに子供たちがならぶ並び方は、非常に特殊な並び方で、バロック並びとかヴィヴァルディ並びと称される並び方です。
 左から、第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリンの順です。これは、バロック時代の作曲の特徴に合わせ、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンのかけあいが立体的に聴き取れるようにするための並び方です。

 更に、ソロ・グループ(ヴァイオリンコンチェルトであればソロヴァイオリン、チェンバロ、通奏低音のチェロ)をソリスト群としてセンターに配置するという方法は、教室独自のものです。

又、この時代のオーケストラには、通常は指揮者もいませんでした。ソロヴァイオリンの人が指揮者の役も兼ねていたのです。オーケストラの人数も通常12〜3名ぐらいでした。