一般の音楽教室では、発表会のリハーサルは、やらない所もあるし、殆どの教室が発表会直前の一週間前ぐらいにリハーサルをします。
それは、リハーサルで上手に演奏出来たとしても、発表会本番では気が抜けてしまい、失敗するケースが多いので、なるべく直前にしたり、いっその事、リハーサル自体をなくして、子供達が発表会を目指して頑張れるようにするのが目的であるためです。
芦塚音楽研究所の教室の発表会のリハーサルは、未だ、長期の練習の癖が付いていない年少の生徒さんや、他所から変わってきた生徒さん達のリハーサルは、一般の音楽教室と同様に、1週間、或いは2週間前の、比較的発表会の直前にします。
それに対して、年中、年長クラスの生徒さんや、上級生組のリハーサルは、原則、一月前にリハーサルをします。
そのリハーサルから発表会迄のインターバルの違いは、幼い生徒さんや初心者では、長期間を掛けて曲を仕上げる事は難しいからです。
幼い生徒さん達や初心者の場合には、発表会の曲を渡すのが、1月前とかですが、上級生達は、発表会の会場で「ご褒美」として、次回の発表会の曲を貰います。
つまり、半年を掛けて練習をします。勿論、1年を掛けて練習する場合もあります。
それは全て生徒の練習のキャパシティで決まります。
先程もお話したように、リハーサルの意味がよく分かっていない、一般の音楽教室の場合には、リハーサルでとてもよく演奏出来た生徒が、発表会では、メロメロになって失敗してしまう・・・という事がよくあります。
勿論、それは子供を指導する先生が、リハーサルの意味をよく分かっていない、という指導力不足によるものです。
一般の音楽教室の場合には、単に発表会のシミュレーションとして、リハーサルをしますが、本来は、勿論、発表会のシミュレーションとして、「子供達が人の前で演奏する事に慣れる」という意味もありますが、それよりも、指導者側が、生徒が人の前で演奏する事によって、そのプレッシャーから、普段のレッスンでは見ることの出来ないミスが、どういう所にそういったミスが起こるか・・という事をチェックをするための、機会でもあります。
また、上級生の生徒達にとっては、発表会の会場で、「どの生徒をどう面倒を見るか」、という事を、ペーパー上の名前と実際の子供の顔を合わせて覚えていくという大切な、チャンスでもあります。
その他にも、一人一人の生徒が演奏する時間のチェックをして、発表会の進行が速やかに進むように、進行表を作成する、データを取る事もしています。
仮に、舞台の進行が15秒遅れたとすると、最後の人の演奏時間は30分遅れてしまう事になります。
それは、実際上、曲を割愛しないと、進行上、無理ですよね。
それに、発表会は上級生が自主性を持って、下級生の面倒を見たり、企画運営に参加する事は、行動出来る子供を育成する上で、とても大切な勉強になります。
発表会自体は、とても長いものですが、リハーサルはお子様の集中出来る範囲の時間で、リハーサルのグループを入れ替えしています。
始めて発表会に出演する生徒さん達の発表会でのマナーや動きの説明も、先生が生徒さんを前に、口だけで説明すると、子供達がプレッシャーを受けてしまいます。
発表会のお約束事をお母様達が人形劇で可愛い人形たちが劇のなかで分かりやすく説明します。
私達の教室では、発表会は上級生は一月前、初級でも2,3週間前に催います。それはリハーサルでの出来の修正をちゃんと出来るだけの期間を配慮しての日にちの設定なのです。
つまり、リハーサルは、その生徒がリハーサル会場に出かけて、演奏するだけの意味ではないのです。
また、年少のお子さん達を対象にして、発表会場でのマナーや、お友達の演奏を聴く意識付をお母様達による人形劇でします。
教室も最初の間は、他の音楽教室と同じように先生が発表会の諸注意を伝達をするという、一般と同じようなスタイルで、発表会の会場での注意事項等を指導をしていました。
先程もお話をしたように、発表会は自分が日頃の練習の成果を発表する・・という意味だけ場ではありません。
それならば、年に2回のローテーションも必要はないのです。一般の音楽教室と同様に、1年半くらいのインターバルで充分なのです。
私達の教室の場合には、発表会のコンセプトは、発表会を通じて、発表会自体を一つの社会と看做して、社会人としての能力を育成するという意味も含まれています。
教育というものは、先生や教室が幾ら優れていても、そこで成果を上げることは出来ません。
そこに親が教育に掛ける姿勢を見せる事で、子供達は安心して、伸びて行く事が出来るのです。
今日、なんでもコンビニの時代に、親が忙しい時間を割いて子供達のために活動する姿勢を見せる事が如何に大切なことであるかは、ここで敢えて言うまでもない事でしょう。
しかつめらしい発表会マナーのお勉強も、小さいお子様にとっては、楽しくお人形が説明してくれると、興味を持って聴いてくれます。
それよりもちょっと上の年齢の生徒さん達にとっては、お母様達が一生懸命に発表会の人形劇を演じている姿は、自分達にとって、とても勇気付になって、発表会を頑張ろう、という姿勢につながって行きます。
全く同じ様に見える人形劇なのですが、その時の生徒さん達に合わせて、微妙にストーリーや、セリフも変えています。
それで、生徒さんの中には、「前回の人形劇の中の、うさぎさんのセリフが**から++へ変わった」と、そこまで正確に覚えている生徒さんもいるのですよ。
発表会には、もう何回も出演している、ベテランの上級生の皆さん達は、人形劇には興味がないのかな?と言うと、そうでもないのですよ。
上級生も、みんな、興味津々でみてくれます。
しかし、上級生の場合には、今度は親に対してのチェックが結構、厳しくて、家に帰ると「お母さん、あそこと、ここがダメだった!」とダメ出しが出たりするそうで、お母さん達が戦々恐々としています。
客席でのマナーを、ぞうさんとくまさんと
うさぎさんが実演で説明。
にゃんこが補足説明してくれます。
しかしながら、楽しそうな客席側とは違って、人形劇の舞台裏はこんな様子。
お母様方が、頑張って、くださいますが、いやあ、兎に角、重労働ですね!!
ご苦労様です!!
一般の音楽教室では、発表会のリハーサルは、発表会の直前に「一回通して弾くだけ]という感じのリハーサルが普通だと思います。
また、外部の教室から私達の教室に変わって来られた生徒さんや保護者の人達の中には、教室の発表会のリハーサルに対しても、よその発表会のリハーサルと同じように考えて、リハーサルは「行って、一回弾くだけだから・・・!」と勘違いしている人達もよくいます。
私達の教室ではリハーサルも音楽教育の一貫として考えています。
だから、年齢の低い生徒さん達と、中級、上級生と、分かれて、それぞれのコンセプトでリハーサルをします。
初級の生徒達は、1時間リハーサル会場で集中出来るようにするのが、一番の目標です。
一般の音楽教室の発表会の会場に行くと、子供達がホールの中を走り回ったり、お友達の演奏中におしゃべりをしていたり、ひどい時にはホールの中でお菓子を食べたり、という光景を見たりします。
しかし、それは教室側が、演奏会のマナーを指導する気がない、・・・せいぜい、sdしたとしても、チラシ1枚を配るだけ、という事で、そういった舞台マナー、会場で聴くマナーを勉強する場所がないためなのです。
その為に子育て年次のお母様達は、お子様を誰か預かってくれる人が居ない限り、好きな演奏会に行く事すら出来ません。
今は、特別に、都響や日フィル等が子連れで演奏会に行けるように企画している、「親と子の演奏会」ですら、子連れで会場に行く事は、ついつい気が引けてしまいます。
注:八千代の一部は、そういったお子様連れが、聴きに来れるという市側の企画コンセプトで、2部は音楽を楽しみたい人達のために・・というコンセプトになっています。勿論、市側の企画ですがね。
そういった、就学年次前の生徒さん達が演奏会マナーを学ぶ場所としても、リハーサルは大切です。
本当の演奏会の会場でも、修学年次からは、殆どの会場が演奏会を聴きに行く事が可能です。
家庭で音楽を聴く環境があれば、子供達でも演奏会を集中して聴く事が出来ます。
教室の生徒さんで小学1年生の女の子が、イムジチの演奏会で最前列でヴィヴァルディのコンチェルトを聴いていて、ソロのおばさんに、「あそこの弓使いと、ここの弾き方は、??」と質問したそうです。そのソリストのおばさんは「まだ、勉強中なので、次までには出来るようにしとくね!」と言っていたそうです。
ヒェ〜〜!!
子供は容赦がない!!!怖!!
よく、人形劇の舞台の事で、質問される事があります。
人形劇の練習は、動きがよく見えるように、骨組みの状態のままにします。
お母様達も、最初は、ぎこちなくても段々と慣れていくと、大きな声で人形の役に成りきれていきます。
本番さながら・・・??に、ピアノを弾いたうさぎちゃんに花束をプレゼンをしました。
リハーサル、とてもじょうずだったよ!!
発表会まで気を抜かないで、がんばって練習してにゃ??!
教室の発表会では、6歳の生徒の伴奏を2年生の上級生のお姉さんがしています。
小学生の低学年の1、2年生ぐらいで、年下のお友達の面倒を見る機会はなかなかないですよね??
思いやりの気持ちを育てる上でも、そういった縦の年齢の教育の必要性を訴えて、早い時期から、小学校等の先生達に指導をさせたりして、縦の教育を芦塚先生は、実践してきました。
芦塚先生が千葉に教室を作った時にも、思いやり教育の根幹のカリキュラムとしてオケ・室内楽の教育の指導の中に取り入れました。
時代が下って、少子化の時代になって、こういった教育の重要性はもっと増してきています。しかしながら、オケや室内楽の指導は、歳の違うたくさんの生徒達を同時に指導しなければならないし、それは先生にとっても、お姉さん役の子供にとっても、責任を負わなければならないという意味でも、大変なのです。
という事で、そういったカリキュラムを導入した当初は、教室では、いきなり小学校の低学年の生徒をオケ・室内楽のクラスに入れる前に、早期からですが、伴奏や二重奏などの二人で合わせるアンサンブルで集団活動の勉強が出来るようにして、無理なく集団の生活が出来るように配慮しているのも、また、芦塚メトードならではです。
今現在では、子供達自身がensembleに慣れてきているので、そういった一手間をする必要はありませんので、いきなりオケ・室内楽に入らせています。
「縦社会の教育のためのensemble教育」とは、なかなか聞こえが良いので、「それは良い事を聞いた!」と、他所の教室の先生が、さっそく真似をして、上級生に下級生の面倒を見させるように伴奏を子供達にさせたり子供同士の室内楽を企画したのですが、結果は、惨憺たるものだったそうです。
今日では、コンビニ時代ですから、形だけを取り入れれば良しとする風潮があります。
だから、「子供達は何でも子供達同士でやる事が好きだから、それが出来る環境を与えさせすれば良いのよ!!」と、教室の発表会を見て早速、自分達の教室の発表会に取り入れて発表会を企画したそうです。
その結果は、先程もお話したように、惨憺たる結果になって、子供達は「ensembleなんか、二度とやりたくない!」と言って、怒っていたそうです。
子供達は、子供達同士で、何かをする事が好き・・・という所までは、当たっているのですが、そこでensembleやオーケストラ、室内楽を教育をするためには、しっかりとしたメトードが必要なのですよ。
それがなければ、カリキュラムとしてのensemble教育は出来ないのです。
教室の真似をして、ensemble教育を取り入れたければ、教室でensembleをしている形態ではなく、教室のensemble教育のカリキュラムの部分を盗まないと真似をする事は出来ないのですよね!!
参考までに(芦塚先生のお部屋にlinkします。)
アンサンブルについて
伴奏について(論文)
初めての発表会。4歳。舞台に出てくるだけで感激してしまう、かわいいおとしごろですね。
初めてでも、小さくても、ちゃんとおじぎして、ちゃんと演奏できます。
初めての連弾です。
今回は牧野先生と一緒です。
小学生の弦楽オーケストラやフルオーケストラは、現実的には、小学校でもある所は珍しくありません。
ただ、室内楽に関しては、子供の本格的な室内楽を出来る場所はありません。
小学校や民間のオーケストラも、単発でオーケストラの曲を1年がかりで勉強するだけで、それを指導の教材とするカリキュラムがあるわけではありません。
ましてや、室内楽は、音楽大学の学生ですら、それぞれの楽器のトップの生徒だけに与えられる栄誉なのです。
つまり、室内楽の授業を受けられる生徒は、それぞれ2グループぐらいしかいないのです。
仮に弦楽器の生徒であったとしても、殆どの生徒は音楽大学でオーケストラに参加したり、室内楽の勉強を経験する事はないままに音楽大学を卒業してしまいます。
そのように、経験する事自体が難しいオーケストラや室内楽を、子供の内から体験し、勉強出来る事は、世界中を見ても、私達の教室だけなのです。
それを可能にしているのは、芦塚先生の膨大な楽譜と、弦楽器に対しての深い知識によります。
音楽大学のように、音楽図書館を持っていて、その資料が膨大なものだとしても、その楽譜の中から、カリキュラムを組み立てる事が出来なければ、それは無用の長物にしかなりません。
芦塚先生は、「子供にも本物の音楽を」というモット‐から、演奏する楽器にも、私財を投じています。
教室でピアノを専攻する生徒達が弾いている、10分の1と2分の1のコントラバスは、芦塚先生が特別にオーダーしてコントラバスの楽器製作者に作らせた楽器で、市販されているものではありません。(10分の1のコントラバスは、譲って欲しいとよく電話があります。教室のコントラバスをお譲りする分けにはいきませんので、芦塚先生はコントラバスを制作してくれた製作者を紹介していますがね。)
バロック時代のアンサンブルの曲には、ピアノではなくって、本物のチェンバロを使います。
子供のころからチェンバロを弾ける?!!これもまた芦塚音楽研究所ならではですよ。
伴奏は、基本的には歳の近いお姉さんにさせます。(年下の妹ではなくって・・・という意味です。もっとも、年上の妹はいないようですが。)
それは、習い始めの初心者の場合には、発表会当日、何が起こるか分からないハプニングに対応出来ないといけないからです。
教室の伴奏をする生徒さん達が、演奏している子供が自分のmelodieを忘れた時に、すかさず、伴奏をしたままで、右手でmelodieを演奏して、子供が思い出したら、パッと元の伴奏に戻る・・・という事を見る事がありますが、これも教室の常識ですが、一般の伴奏者で出来る人は殆どいないのですよ。
オーケストラでもsoloの生徒が忘れたら、オケ・バックのコンマスがすかさず代わりにヴァイオリンパートのmelodieを演奏しますが、soloのpartを完全に覚えていつでも演奏出来る状態にしておく、という事も教室だけの常識なのです。
但し、ピアノの伴奏を演奏しているのは、必ずしもピアノ専科の生徒ではなく、先程のチェロの生徒を伴奏しているお姉さんのように、同じ楽器を習っているお姉さんが伴奏する事もよくあります。
後は、レッスン時間(合わせる時間)の都合で、誰が伴奏をするかを決めますが、男の子の場合には、伴奏者を、お姉さんではなくて、お兄さんを優先させる場合があります。
男の子は、基本的にお兄さんの伴奏の方が好きなので・・・・。
右の写真は今回の発表会の写真ではありませんが、今回は碧人君も春暉お兄さんも、ちょうど受験年次で、晟嗣君の合わせの時間に、来ることが出来ませんでした。お兄さん達は、ピアノもヴァイオリンも同じぐらいに上手なので、伴奏をしながら、つまづいたらアドバイスもしてくれるので、次回の発表会の伴奏には是非に・・・・ね??
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会議で発表された反省点をを各自、メモをしながら、次回の発表会の進行表を作ります。
発表会10日前の進行表によるスタッフの動きのcheckの風景です。
以前、元々は、保護者の方たちの打ち上げは、大人だけ別の日を作って、やっていましたが、何年か前から、子供達の食事の準備をお手伝いして貰いながら、反省点も保護者の立場から発表して貰う事にしました。